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2009年9月10日

「不思議なこと」

これまでの人生でどうにもこうにも説明のつかない不思議なこと、
そんなあれこれ。
秋風が吹くとふっと思い出しました。

まずその一。
まだ親といるころ。
時計の電池が切れたので、フタをとって入れ替えました。
フタなんてものは、すぐどっかいっちゃいそうだから注意して、
きちんと置いといたはずなのに。
ありません。金輪際ありません。
ちょっと眼を離したすきにどっか行っちまいました。
それからナン次元話にはまったく興味のなかった親も
世界の認識を改めました。

その二。
もう結婚してました、その頃。
ピアノの弾き語りの仕事を終え、飯田橋の家に帰る途中。
お堀あたりをふらふら歩いてるとコチン。
音がしたので振り返るとジージャンにつけていたおっきなバッジが
道に転がってます。
あれれ、とれちゃった。
ずいぶんとチカラを入れないとつけたり取ったりできない頑丈なやつ。
珍しいこともあるもんだと拾って裏を返してボーゼン。
ちゃんとはまってるんです、ピン。
何かのはずみで取れることはあるでしょうけど、それがまた元通りなんて。
またチカラ込めてピンをはずしジージャンにつけました。

その三。
「ZAKKABAR」やってた頃。
山手通りの下り坂を自転車で疾走中。
ふと眼に飛び込んできた色鮮やかな靴。
変わった配色のパンプスです。
眼を上げてそれを履いてる女性確認。
なるほど、おしゃれな人。
しばらくまた疾走。
するとまた同じ靴が。
え、まさか、眼を上げるとまたその女性。
前回と同じように立ち止まってます。
ふと、交差点ごとに、この人いるんじゃないかと。
シュールリアリズムの絵のような、不思議。

その四。
数年前。
大阪でのコンサートの時、楽屋で。
携帯に伝言がありました。
番号も事務所からで男性の声。
なんだかんだいってるけど、よくわからない。
きっとU氏に違いない。
なので連絡して呼び出しました。
「Uちゃん、いる?」
ところが、彼電話してない。
他の誰に聞いても誰も電話してない。
「記録調べたんですけど、だれも電話してないんです」
デスクの女の子の声(前任の中村嬢)凍ってます。
ちなみにその伝言ずっと残してありましたが、
携帯故障で消えました。

その五。
これも数年前。
浜松町に何時とか、前にメールが来てたので、
もう一回確認しようと。
ところが何度見ても、そのメールが見つからない。
中村嬢に確認します、私の勘違いかと。
ところが彼女もそのメールのことを覚えていて、事務所のパソコンを
開きます。
が、ない。まったく、ない。
「信じられないんですが、記録そのものがないんです」
こうして、二人の記憶にあったメールはこの世から跡形もなく
消滅してしまいました。

スタジオとかで、いろいろ不思議なことはありますが、
私はちょっとうきうきしてしまいます。
何だか仲間がいるようで、アッタカイ気持ちになってしまいます。
「今はいたずらしないでね」なんて。
あっちもこっちもおんなじ、つながってるような。
魂のバリアフリーでしょうか。
でもこうしてみると、やっぱり生きてることは不思議です。
生まれて死んでいくことも不思議です。
ああ、おかしい。