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2010年2月7日

「朝青龍」

お相撲さんて「気は優しくて力持ち」じゃなきゃ困るんだな。
暴れん坊は「将軍」はあるけど「横綱」はないんだな。

朝青龍、大草原が似合う。
わさわさ羊食って、もうもうと馬駆けて。
獰猛が似合う。

親方、いろいろ責められるけど、一番の間違い。
それはジンギスカンをお相撲さんにしたこと。
シツケがいかに無力か、犬飼うとわかる。
シツケられるものは初めからシツケられる。
シツケられないものはシツケられたふりする。
突然後ろから首筋ガブってやられた飼い主たくさんいる。
なんだかわかんない、犬もわかんないのかもしれない。
それが「血」なんだろう。

昔、チャウチャウ飼った。
二度噛まれた。
そんな時「目」が変わって、違う犬になる。
訓練所に入れた。
いろんな芸ができるようになった。
でも、違う気がした。
こいつ、ここじゃないな、いるべきとこ。
案の定というか、夏の日、日射病で死んだ。
やっぱり、ここじゃなかった。
申し訳ない気がした。

朝青龍、でも日本語しゃべる。
外国のお相撲さん、みんな日本語しゃべる。
どんだけ、この国で苦労してきたかわかる。
日本人のお相撲さんが勝てないわけ、わかる。
サバイバルしてきた人には、勝てない。

日本国中貧しい頃。
どっかの田舎におっきな男の子が生まれて。
飯食うためお相撲さんになって。
兵隊さんみたいに言うこと聞いて。
はいはい聞いて。
ただ稽古して、飯食って。
そんで親方になっても、みんな兵隊さんに見えて。

そんな世界に朝青龍、不似合い。
いいたいこといってたら兵隊さんになれない。
いいたいこといってたらもうお相撲さんじゃない。
だから、やっぱりここじゃないんだよ。
きみのいるべきとこ。