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クミコ - ココロの扉をたたくウタ

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2010年3月29日

「卵ツアー」

先だって卵をいただきました。
でも、私コレステロールが心配でどうのこうのというのを遮り。
「これはそんじょそこらの卵ではありませぬ。たいそう良い卵です」
その卵を12個押し頂き帰ってまいりました。
そして。
食べました。毎日食べました。卵かけご飯食べました。
両親にも分けてあげました。

どうも夢を見るのです。
起きても夢とウツツのハザマにいるような、そんな夢です。
そういえばしばらくごぶさたしてました。
他人の夢の話ほど退屈なものはないのでしょうが、
まあちょっと。

お彼岸をちょっと過ぎたあたりでしたか、おっきな水槽の夢を。
おっきな水槽をふと見ると赤い魚が斜めになって、どうも死んでる。
水は濁っていてどんより動かず、よくよく見るとその水槽にフタが。
何だか息苦しそうなフタを私、さっと取ってみた。
そしたら濁ってどんよりの水が、もくもくごうごうと盛り上がり、
中からありとあらゆる魚が。
ごぎゃんごぎゃんと波うちうねっているではありまんか。
ごぎゃんごぎゃんごぎゃんごぎゃんんん。
あ、亀!
亀も甲羅をガラスにへばりつかすように現れました。
立派な亀です。

位置関係はよくわからんのですが、下方はと見ると、
「モナリザ」の背景みたいなもやもやっとした「箱庭自然」。
その谷底らしきところに、亀いくつかが、干からびじっと動かず。
ためしにホースで水かけてみました。
すると、亀たちごにょごにょ動く動く。
そこここにできた水溜りの間をごにょごにょごにょごにょ。
壮観です。

何だかみいんな元気になったなあ。
でも水槽のフタだって開けたままじゃ困るだろう。
けど閉めたらまたみんな死んじゃうしなあ。どうしようかなあ。
など思っていると、どこかで見たような懐かしいような女性。
土手とおぼしきあたりで皆と楽しそうに大声で笑っています。
あれ、この人、おばあちゃん!
もうとっくに死んでるおばあちゃんじゃありませんか。
それにしても若い。
おばあちゃん、こんな若くていいのかなあ、こんなとこにいていいのかなあ。
私のオモワクなどまったく気にせず、若いおばあちゃん笑ってしゃべって。
すると、斜め後方から今度はおじいちゃん。
おじいちゃんとおばあちゃん、また笑ってしゃべって。
生きてる時ケンカばっかしてたけど、死んだら仲良しなんだな。
うれしいなあ。

起きてもしばらく魚と亀とおばあちゃんがまとわりついています。
何日かたっても、なぜかまとわりついています。
どれも温度を持っているのです。
生暖かい体温を寄せてくるのです。

一昨日実家に行くと、母親がゆで卵を一個冷蔵庫から出してきました。
「クミちゃんからもらった卵、あれ食べたら眠れなくなった。
足がむずむずして、寝にくくて寝にくくて仕方ない。」

やっぱり卵は滋養のある食べ物なんだね。
昔はお見舞いに持って行ったくらいだもの。
よくよくみると、でもこの卵、たしかに並みの卵ではないようです。
殻の色も厚みも、石膏でできたウソ卵のよう。
ゆで卵になった返品卵を、そっとポケットに入れました。

また行けるといいなあ。「卵ツアー」。