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2009年12月13日

「未踏」

先だって行った佐賀県。
これで未踏の地はあと四県になりました。
富山、和歌山、香川、熊本。
あれ、ほんとかなと慎重に思い巡らせ、やっぱり未踏。
この「未踏」っていうのは、そこに降りて何がしかのことを
したかどうかということで、「通過」はしてるけど、
降りてないってことです。

思えばいろんなとこ行きました。
ほとんど仕事といっていい。
かつて永六輔さんに連れられ、あっちこっち。
すごい時は昼福岡の飯塚、夜新潟とか。
永さんばりばりに元気で。
ある時は外国から帰ってきて、そのまま新幹線。
後ろの席で伸ばした足が私の肘掛のほうまで。
眠りから覚めた真っ赤な目。
タフな永さんです。

永さんとマルセさんと私。
初めての飛行機移動の日、慣れない私は遅刻寸前で。
あわてて乗り込むと憮然とした二人の顔が。
「すごいなあ、飛行機乗りなれてるって乗り方だなあ」
マルセさんがいいます。
私、体中冷や汗しどろもどろ。

そうそう、永さんに舞台袖で怒られたことも。
「この舞台は三人で支えてるんだからね」
一人一人の持ち時間はきっちりとしたものを
見せねばならない。
誰が誰に頼ってもいけない。
三点で支える舞台。
そうだ、私プロなんだ。
震えました。

今思えば、ずっとアマチュアでした。
永さん、マルセさんという「プロ」の中で、
なんだかんだと、結局は可愛がられ。
これアマチュアでした。

あ、また一つ思いだしました、怒られたこと。
徳島日帰りの、その帰り。
「うどん食ったか」「いいえ、お腹空いてなくて」
「四国はうどん、だからきみはダメなんだ」
え、え、どういうこと。
今ならわかります。
好奇心と、それを支える胃袋。
タフなココロとカラダ。
芸人に不可欠な要素です。

「未踏」の地のこと考えてるうち、永さんのことに。
永さんて「未踏」なんてとこないんだろうなあ。
そんなこと考えもしないんだろうなあ。
どんなとこへもカバン一つ。
「着てるもん洗ったらバスタオルにくるんで、それを
ベッドの上から飛びおりて踏んづけて」
これで乾くという。
だからいつも身軽。身軽なココロ。

ああ、残る四県。
早く行きたいなあ。