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クミコ - ココロの扉をたたくウタ

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2009年12月23日

「スタジオ」

どうもここのところ、この時期がレコーディングになっていて、
今年もまた東京タワー、六本木、麻布あたりのスタジオに
ひょこひょこ通っています。
思えばいろんなスタジオにお世話になったもので、これは
ディレクターの嗜好というか指向というか思考というか、
はたまた人間関係なのか、いえいえ予算のせいなのか、
ずいぶんいろいろ。

最初はもう今はない東芝EMIのおっきなスタジオ。
ここは名物スタジオでもあったらしく、時の流れの中で
ロビーに飾ってあった「越路吹雪」の大パネルとともに消え去り
嘆息しました。
考えてみれば、ほんとにまだまだ「いい時代」で、松本隆氏が
ドラマーとして「AURA」に参加する時など、エレベーター前に
注意書きのタテカンが出ました。
「スタジオ階関係者以外立ち入り禁止」。
あまりに久しぶりのドラムに、本人以上に周りが気を使って。
今では語り草です。

エイベックスに移ってからは、あちこちと。
面白いのは当時この会社には生ピアノがなかったこと。
なるほど。

弦楽器を一度に録る時は、どうしても大きなスタジオに
なります。今ではだいぶ慣れましたが、初めはドキドキ。
こんな私のためにこんな大勢が。
帰るミュージシャンの方々に出入り口でペコペコお辞儀してました、私。
なのにこの頃じゃ、すっかり出不精おばさん。

デモテープ録りを含めれば、本当にたくさんの時間が費やされる
スタジオ。こんな時代にこんな贅沢をさせてもらえること。
怖くなります。
でも、だからこそ「いいもの」作りたい。
ずっとそう思ってるんですが。
今度こそ、今度こそ。

そしてその今度。
ああだこうだと、またすんなりとはいかず。
「いいうた」録れたと思っても、するりと逃げる。
永久に録れないもんなんでしょうか。
蜃気楼相手に仕事してるみたい。
あーあ、とがっくりしつつ、また力こぶ作って。
まだまだスタジオでの闘いは続きます。