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クミコ - ココロの扉をたたくウタ

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2007年4月28日

「あるがままに」

同じ「ソン」が付いても、シャンソンは農村山村漁村には流れない。というのを口ぐせのようにいってきた。だからこそ、そういった場所に流れる歌を唄う歌手になりたい、ともいってきた。

とはいっても、実際どういう人たちを目の前に唄うのかといったら、なかなか実感できる機会はない。これまで私の立つステージから見える人々は、ナンダカンダいっても、やっぱり統一感があった。まったく私自身のコンサートではないにしても、だ。

先日、公開生放送のあったスタジオでは、だから本当に驚いた。そうか、世の中はこんなふうにさまざまな人々がいるのだ。私以外は演歌をフィールドにしている歌手ばかりというせいなのだろうか。オジイサンに近いオジサンまでもがペンライトや団扇持参で、お気に入りの歌手の名前を叫ぶ。叫ぶというより怒鳴る。

怖いもの見たさで、セットのすき間から客席を覗く。不思議なことにだんだん胸が熱くなってくる。日常の一日一日を、それこそ地道に生き暮らしているであろう人たちが、それぞれにハジける瞬間を目のあたりにして、これぞ芸能の原点と思った。

そんな中の私の出番。じゃあ、私はどうする。媚びずへつらわず、あるがままに唄うことだけなのだ。人間、みいんなおんなじ。たいそうに変わるわけもない。伝えたいのはやっぱり人間。人間のココロ。

4曲を唄い、会場から外へ出るとオバサンたちが駆け寄ってきた。「涙でちゃった。一緒に写真とってね。」

やっぱり、これからもあきらめず農村山村漁村に流れる歌を目指そう、とまた思う。

というわけで、この連休の始まり29日と30日に、梅田のシアタードラマシティでコンサートをする。大阪は大都会だけれど、きっとまたさまざまな方が来てくださるだろう。

私、クミコ。52歳と7ヶ月。このまんまで背筋を伸ばして唄います。