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クミコ - ココロの扉をたたくウタ

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2009年4月5日

「ペコペコ」

いわゆる「目の青い」ガイジンが日本人を真似る時、必ずするのがペコペコ。お辞儀ってやつだ。映画かなんかでそんな場面が出てくるとものすごく奇異で、でも考えたら私たち日本人はいつもそうやって、ペコペコとお辞儀ばかりしているのだった。

とりあえず頭を下げてさえいれば、下を向いて舌を出していようが、寄り目をしていようがかまわない。モノゴトは文字通り頭上を通過して収まるべき所へ収まる。なかなかにシタタカなものでもある。

ただ、このペコペコ場面は、いつも何かしらオデーカンサマとヒャクショウの関係を連想させてしまう。オカミのことを思い出させる。そしてヒクツも思い出させる。

ナニナニさせていただきます、とばかりいう人がいる。自分の行動をいつも「させていただきます」に変換する人だ。日本語独特のヘリクダル表現だが、聞いていて大層居心地が悪い。とりあえずこういっとけば、災難は頭上を過ぎていく。ペコペコと似ている。

「お店を開かせていただいています」はおかしい。「お店を開いています」しか存在しない。「この歌を唄わせていただきます」もおかしい。「この歌を唄います」だ。

この人たちにはいつもオカミがいるようである。神はいなくてもオカミはいるのだ。

それにしても、オデーカンサマはやり方が日々巧妙になってきていて、給付金ではひねったアタマも、高速道路千円乗り放題では、その語感が「食べ放題」と似ているせいか、あやうくアリガタイとお辞儀をするところだった。ETCも地デジも、こうして外堀を埋められるように私たちの中に入ってきた。災難は頭上を通り過ぎはしなかったのだ。