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2009年11月8日

「“遺憾”はイカン」

政治家のコトバで「前向きにナントカカントカ」というのがある。とりあえず「前向き」といっておけばコトは流れる。本当は「後ろ向き」であっても、そんなことはいい。

この「前向き」はまだわかり易いが、どうにもわかりにくく、かつまたフツーの生活で私たちの使わないコトバが「遺憾」だ。

これは別段、政治家に限らず、エライ立場の人の記者会見などではよく使われる。

「遺憾」を辞書で引くと「思い通りにいかず心残りなこと。残念。気の毒」とある。つまりのところ、自分にとっては思いの残る様であるということらしい。

ところが不思議なことに、このコトバを聞くのはほとんどが謝罪会見なのだ。コレコレで、私今、皆さまに謝ってはおりますが、本当は無念でございます。残念でございます。謝りたくなんかございません、といいながら謝っている、という図式になる。

誰が誰に謝っているのか、責任の所在はどこにあるのか、もうグチャグチャである。

この「遺憾」。でもやはり多用するのは政治家である。これをきちんと使えるようになったらもう立派な「政治家」といえる。

鳩山さん、これを使ってしまった、この前。谷垣さんへの反論で「あなた方にいわれたくない」といったことを正されて。感情的になって出たコトバと反省し、相手を不快にさせたことを詫びながら、でも最後に「遺憾です」。

鳩山さん、率直な人のはずなのに「友愛」というわかり易さを揚げる人なのに、これはまずい。ゴメンナサイは「遺憾」ではない。「わかりにくい」ことを「わかり易い」ことにしたくて政権が変わったのだ。

「遺憾」はやっぱりイカン。