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クミコ - ココロの扉をたたくウタ

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2011年11月6日

「キャンペーンは交差点」

この季節はキャンペーンが多い。年末に向けての諸事情もあり、おそらく「歌謡界」の人々の多くは、アチコチとキャンペーン行脚をしているのだろうと推測される。

キャンペーンはいわゆる「レコード屋さん」で行われる場合もあるし、ナントカストアのような大きなスーパーで開かれることもある。そのナントカストアでも、店内のこともあれば屋外のこともある。

先だっては屋外だった。それもコロシアムのように、すり鉢状に石段が重なり合っている広場というか、通路というか。そんなに寒くはなかったからいいようなものの、石の上に座っている女性の姿に「冷え」を心配した。他人事ではない。

私はといえば、もろに注がれる直射日光にググッとひるみ後ずさる。まぶしいのもまぶしいし、日焼けも気になる。こんなことならもっと厚く化粧をしてくるんだった。こうして唄う前には千千に乱れるココロも、唄いだすとすべてのことがどうでもよくなる。気づくと陽射しの中に踏み込んでいる。

お客さんは、まったく「オヨビジャナイ」とばかりに、どこかへ行ってしまう人もいれば、涙している人もいる。私はたまたまソコに居合わせた人々に「一期一会」の歌を届けることに全力を尽くす。

キャンペーンは「人生の交差点」、そんな気がする。いろんな場所でいろんな人が、いろんな思いで、立ち止まる、あるいは立ち去る。私はただ、そのいろんな人たちに向けて、その時のココロを歌にして届ける。届けたいと思う。

震災後、何の意味もないように思えた「歌」が、もしかしたら今こそ必要とされているのかもしれないと、少しずつ思えるようになった。キャンペーンは、こうして歌の原点を示してくれるものでもあるのだ。