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2010年10月3日

関西弁バイリンガル

イギリスの映画など見ていると、時々これってホントに英語なのかと疑いたくなるモノもあったりする。なるほど、どこの国にも「方言」があるのだと知った。

日本だってもちろん。アナウンサーの話す言葉を標準語なんて名づけたりするけど、そのアナウンサーだって故郷の人と話す時は、あっという間にその地方の人になる。あっち向くとあっちの言葉、こっち向くとこっちの言葉なんて、神業に見える。ほれぼれする。

関西弁を話す人になりたかった。関西弁でなければ出せないニュアンスをしゃべりたかった。ボチボチとかアンジョウとかソナイイワンデモとか、いってみたかった。

なぜか昔から関西人、それも大阪の人に間違われることが多かった。「誰にもいわんからホントのこといってみい、あんた大阪の人やろ」。別に隠してませんがな。レロレロ。

思えばはじめての関西弁は「コンマツチョトコイ」の呼びかけ。丁稚姿の昆ちゃんがふららふらら現れ。次に「ミミカラテエツッコンデオクバガタガタイワセタル」。今度は旅がらす姿の藤田まことさんが。どちらも白黒テレビ画面の向こうから笑わせてくれた。

自分のまわりにはない独特の言葉。このちっちゃな国には、違うテンポや味わいを持つ人たちがいる。いつ会えるんだろう、関東の子供は憧れに似た気持ちを持った。

そして、大人になり結婚した相手は神戸の人だった。万歳。これでもう大丈夫。ところが夫曰く「一口に関西弁といっても神戸と大阪と京都は違う」。ま、いいかとそれらしくしゃべっても、それは惨めなほどおかしく、それくらい関西弁は奥深いのだと。

しゃべっては直されしゃべっては直されしているうち、夫と別れ、振り出しに戻った。それでも時々、風呂場かなんかで関西弁をしゃべってみる。やっぱりおかしいと思う。英語もフランス語もそして関西弁も、何一つできない。バイリンガルの道は依然遠く険しい。